英語の伝わりやすさ(Intelligibility)とアクセントの違い
英語のアクセントと伝わりやすさ(intelligibility)の違いを、聞き取りの例で説明します。音読アプリの点数や文字起こしから分かること、人に聞いてもらうときの確認方法も紹介します。
結論
伝わりやすさ(intelligibility)は、話した言葉を相手がどれだけ正確に聞き取れたかを指します。アクセントは、発音に表れる地域や母語の特徴です。 日本語の影響が残る発音でも、相手に伝わる英語は話せます。
例えば “The meeting is on Thursday at three.” と伝えたとき、相手が「木曜の3時」と聞き取れたかを確かめます。火曜日や別の時刻だと思っていたなら、該当する単語を聞き直してもらいましょう。「日本語のアクセントがある」という感想だけでは、どこを練習すればよいかまでは分かりません。
アクセント・理解しやすさ・伝わりやすさの違い
ここでいうアクセントは、単語のどの音節を強く読むかという意味ではなく、話し方全体に感じられる発音の特徴です。
| 観点 | 確かめること | 確認の例 |
|---|---|---|
| 伝わりやすさ(intelligibility) | 話した言葉を正確に聞き取れたか | 聞こえた単語や数字を書いてもらう |
| 理解しやすさ(comprehensibility) | 聞き取りをどれくらい楽に感じたか | 聞くのに集中が必要だった箇所を尋ねる |
| アクセントの強さ(accentedness) | 基準とする英語の発音とどの程度違って聞こえるか | 聞き手が感じる発音の違いを評定する |
正確に聞き取れたかと、楽に聞き取れたかは別に確認します。 単語が全部分かっても、長い間や不自然な区切りのために、聞くのに苦労することはあります。
MunroとDerwingの1995年の研究では、中国語を母語とする話者らの英語を聞いて書き取る課題と、アクセントの強さ・理解しやすさの評定を比べました。アクセントが強いと感じられた発話でも、正確に聞き取れる場合がありました。これは、どんな発音の違いも理解に影響しないという意味ではありません。
聞き返されたときに確認すること
- 単語を区別する音。 right/light や ship/sheep のような組み合わせで、言いたい単語が別の語に聞こえていないか確認します。英語のR、/ʃ/の音、無声音のTHには発音の説明と例があります。
- 単語の強勢。 thirteen/thirty のような数字を聞き違えられたら、辞書で強く読む音節を確認します。
- 文の区切りと速さ。 “If the date changes / please let me know.” のように意味のまとまりで区切ります。日時や数字が伝わりにくいときは、その部分を少しゆっくり読んで比べてください。
- 言い換え。 Thursday が伝わらなければ “the day after Wednesday” と補うなど、相手が確認できる情報を足します。
どの項目を練習するかは、実際に聞き取ってもらえなかった言葉から決めましょう。
自分の英語が伝わるかを確かめる5つの手順
仕事や授業で使う、20〜30秒ほどの短い説明を用意します。日時を決める、何かを依頼する、といった具体的な内容が向いています。
1. まず一度録音する
普段の速さで録音します。練習後と比べられるように、最初の録音も残しておきましょう。
2. 伝えたい単語を選ぶ
必ず聞き取ってほしい単語を3〜5個選びます。約束なら日時と場所、仕事の依頼なら作業内容と締め切りです。
3. 聞こえた内容を確認する
原文を見せずに録音を聞いてもらい、「何曜日だった?」「何部必要だった?」と尋ねます。相手の答えと、自分が伝えたかった内容を比べましょう。
4. 一か所直して録り直す
聞き取ってもらえなかった単語を一つ選び、辞書の音声で発音や強勢を確認します。その部分を直して、もう一度文全体を録音しましょう。
5. 別の文でも試す
同じ単語を使って別の文を話してみます。何度も同じ録音を聞いた相手は答えを覚えてしまうため、新しい文でも伝わるかを確認してください。
音声認識で正しく文字になれば、人にも伝わる?
正しい文字起こしは、機械が意図した単語を出力したという結果です。その録音を人が楽に聞き取れるかまでは分かりません。
音声認識は文脈から単語を補うことがあり、発音が曖昧でも期待した文が表示される場合があります。反対に、発音に問題がなくても、雑音やモデルの特性で違う語になることがあります。第二言語学習での音声認識を調べたレビューでも、人による発音評価との違いが報告されています。
誤認識が続く単語は録音で確認し、辞書の音声と比べてみてください。背景はSiriやAlexaがアクセントを認識しにくい理由で説明しています。
英語の音読評価でアプリと人が確認できること
音読アプリの点数は、モデルが発音を評価した結果です。人がどの単語を聞き取れたかは、原文を見せずに聞いてもらって確かめます。
| 方法 | 分かること | 結果を読むときの注意 |
|---|---|---|
| 発音評価アプリ | 単語や音の発音が、モデルの基準にどの程度合うか | 強勢やリズムまで評価するかはアプリによる |
| 音声認識の文字起こし | 機械がどの単語として認識したか | 原文との一致率は発音の正確さを表す点数ではない |
| 原文を見ずに聞く人 | 実際に聞き取れた言葉と、聞くときに感じた難しさ | その聞き手と録音条件での結果として扱う |
例えば “The meeting is on Thursday at three.” を単語ごとに長く止まりながら読んでも、文字起こしは原文と一致するかもしれません。それでも聞き手が文を追いにくいと感じたなら、単語の発音に加えて区切り方を練習する余地があります。
人に聞いてもらうときは、まず原文を見せずに日時を答えてもらい、その後で聞きにくかった箇所を尋ねます。文章全体の意味が伝わったか知りたいときは、内容も言い換えてもらいましょう。単語の聞き取りと、内容の理解を一つの点数にまとめないことが大切です。
音読では読む言葉が決まっています。自分で言葉を選ぶ会話も確認したければ、同じ内容を原文なしで説明してみてください。練習用の英文と確認項目は英語の発音チェックの音読評価手順に載せています。
IELTSではアクセントをどう評価する?
IELTSの発音基準では、バンド8はアクセントが聞き取りに与える影響が小さいこと、バンド9は影響がないことを求めています。 公式のSpeaking評価基準に明記されています。リズムや強勢など、そのバンドのほかの発音基準も満たす必要があります。
試験対策ならIELTS Speakingの発音評価を確認してください。練習で使う音声を選びたい場合は、イギリス英語とアメリカ英語の発音の違いも参考になります。
Phonemaで練習する場合
Phonemaでは、自分で入力した英文を録音し、単語ごとの発音スコアを確認できます。点数が低い単語を聞き直し、次に練習する語を選ぶために使ってください。音声の分析は端末内で行います。実際の相手に伝わったかどうかは、相手の返答でも確かめましょう。
単語は聞き取れるのに文全体を追いにくいと言われたら、短いシャドーイング練習で区切りやリズムを比べてみてください。