あなたの英語アプリが発音を直してくれない理由(と、その対策)
多くの語学アプリが確かめているのは音声認識が聞き取れたかどうかで、単語を正しく言えたかどうかではありません。2分でどちらか判別できるテストを紹介します。
結論
多くの語学アプリは発音を採点していません。音声認識が聞き取れたかどうかを見ているだけで、認識器はアクセントがあっても成功するように設計されています。 音声アシスタントには望ましい性質ですが、学習者には役に立ちません。指摘してほしかった誤りをちょうど見逃してしまうからです。しかもその成功率は一様ではありません。PNASに掲載された商用認識器5種の研究では、単語誤り率が黒人話者で平均約35%、同じ地域の白人話者で約19%でした。どちらもネイティブです。研究はこちら。
その結果があのおなじみの体験です。文を言い、緑のチェックが出て、ロンドンの窓口で通じるのかどうかは相変わらず分からない。
「認識」と「発音」は別の課題
認識器はとてつもなく有利な位置から始めます。たいてい、あなたが言うはずの文を知っていますし、少なくともその練習に含まれる数少ない文の集合は知っています。あとはいちばん近いものを選ぶだけです。練習が I would like a ticket を想定していて、だいたいその形のものを出せば、母音がどう転んでも一致は成立します。
さらに現代の認識器は、意図的にアクセントのある音声で訓練されています。多様なアクセントを扱えることが製品要件だからです。その訓練は本来の目的どおりに働き、システムを寛容にします。そして寛容さは、矯正ツールに必要なものの正反対です。
つまり緑のチェックが意味するのは、認識器が与えられた候補の中から想定どおりの単語を選んだ、ということです。単語を正しく言うことよりずっと簡単な課題です。
2分でできるテスト
マーケティングの文言を一行も読まずに、自分のアプリが何をしているか確かめられます。
手順1: 難しい単語をひとつ含む文を選ぶ
think、ship、world など、自分が苦手だと分かっている単語をひとつ含む短い文をアプリから選びます。文の残りはやさしいままにしておきます。
手順2: 正しく言って結果を記録する
自分のベストの一回を録音し、返ってきたフィードバックをそのまま書き留めます。これが基準になります。
手順3: わざと1か所だけ間違えて言い直す
同じ文をもう一度、難しい音だけを意図的に別の音に置き換えて言います。think を tink、ship を chip に。それ以外はまったく同じにします。
手順4: アプリが何を言ってきたか見比べる
両方とも合格になったり、どこが問題かを示さないまま似たような数字が2つ出たりしたなら、そのアプリは発音ではなく認識を見ています。壊した単語を指し示してきたなら、もっと役に立つことをしています。
このテストは2回やってください。1回の録音は、関係のない理由で妙な結果になることがあります。
たいてい壊れている4つのこと
採点が文ごとに数字ひとつで返る。 72という文スコアには細部をしまう場所がありません。正反対の理由で2人が同じ72を取り、どちらも何を変えるべきか学べません。音ごとの採点があるのはそのためです。
フィードバックが遅すぎる。 話し終えて3秒後に答えが返るなら、ループは切れています。フィードバックの価値は急速に減ります。舌が何をしたかをまだ覚えているうちに必要なのであって、注意が次に移ってからでは遅いのです。
自由に繰り返せない。 サーバー側で解析するアプリはリクエストごとにコストを払うので、上限をかけます。5回まで、あとは明日。発音が伸びるのは同じ一行を短く何度も繰り返したときで、上限はまさにその形を邪魔します。
練習するのが自分の文ではない。 架空のビーチ旅行についての教材の文は、月曜に必要な文ではありません。明瞭さを損なっている単語は、自分の職種、自分の街、自分のプロジェクトです。それらはどんなシラバスにも出てきません。
代わりに何を見るか
4つの質問。どれも無料版だけで答えが出ます。
- どの単語が落ちたかを教えてくれるか。 文が合格したかどうかではなく、どの単語か。
- 同じ一行を好きなだけ繰り返せるか。 1日あたりのカウンターがあるなら、そのツールは練習以外の何かのために値付けされています。
- 自分のテキストを使えるか。 実際に言う必要のある文を貼り付けて、アプリがそれを扱うかどうか見ます。
- 返答はどれくらい速いか。 1秒未満なら練習のループです。3秒を超えるなら小テストです。
役に立つフィードバックの姿
具体的にはこうです。I think the third one is better と言うと、アプリが think と third が不明瞭で残りは問題なかったと伝えてくる。これで、落ち込むための数字ではなく、下すべき判断が手に入ります。無声 /θ/を単独で、次にその2語の中で、最後に文全体の中で練習します。
同じ理屈は定番の取り違えにもそのまま当てはまります。ship と chip における /ʃ/ と /tʃ/、world や career における英語の /ɹ/、live の短い /ɪ/ と leave の長母音。
Phonemaはその狭い仕事のために作られています。文はあなたが持ち込み、どの単語が不明瞭だったかをアプリが返す。解析は端末上で行われるので往復もカウンターもありません。文法や語彙は教えませんし、教えるつもりもありません。そちらは、この一点で苦戦している汎用アプリのほうがうまくやります。
診断ではなく手順そのものが欲しい場合は、英語の発音を自分で確認する方法から始めてください。
よくある質問
間違った発音なのに、語学アプリがなぜ正解にしてしまうのですか? 多くのアプリは音声認識が単語を聞き取れたかどうかを見ており、認識はアクセントがあっても成功するように作られているため、指摘してほしかった誤りをちょうど見逃します。
そのアプリが本当に発音を採点しているか、どう見分ければいいですか? 1語だけをわざと間違えて発音し、それ以外は正しく言った文を録音して、アプリがその単語を指摘するかどうかを見てください。
スピーキング練習で緑のチェックが出たら、発音が良い証拠になりますか? なりません。それは認識器が与えられた候補の中から想定どおりの単語を選んだという証拠であり、単語を正しく言うことよりずっと簡単な課題です。
発音アプリは何を見せるべきですか? 自分で選んだフレーズの中でどの単語が落ちたかを、口が何をしたかをまだ覚えているうちに再挑戦できる速さで見せるべきです。