英単語の発音記号:辞書の読み方と例
辞書の発音記号を、英単語の例で読み解きます。IPAの記号、強勢、音節の区切り、辞書ごとの表記の違いを確認し、解答付きの練習問題で試してみましょう。
発音記号で何が分かるか
発音表記は、単語の発音を音の記号で示したものです。 例えば、shipは/ʃɪp/です。/ʃ/が最初の子音、/ɪ/が母音、/p/が最後の子音を表します。つづりは4文字ですが、音は3つです。左から順に記号を読み、辞書の音声と照らし合わせてみましょう。
長い単語では、どの音節を強く読むか、どこで音節が分かれるかも確認します。まず、次の記号を覚えておくと読みやすくなります。
| 記号 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| / / | スラッシュの間に発音を示す | shipは/ʃɪp/ |
| ˈ | 次の音節に第一強勢がある | /kəmˈpjuː.tə/:com-PU-ter |
| ˌ | 次の音節に第二強勢がある | retell /ˌriːˈtel/:re-に弱めの強勢 |
| ː | この表記では長い母音を示す | seeは/siː/ |
| . | 音節の区切り | /ˈsɪs.təm/:2音節 |
スラッシュや強勢の記号は読み方の指示であり、音ではありません。音節の区切りを示す点も、そこで間を置くという意味ではありません。
強勢の記号と音節の点は、Cambridge Dictionaryの発音ガイドの表記に従っています。computerの例は、単語だけを言うときのイギリス英語の発音です。辞書の項目には小さな上付きのrもあります。その読み方は後で説明します。
辞書の「発音表記」とは
使われているのは、国際音声記号(IPA)です。見慣れたアルファベットに似た記号もあれば、/ə/や/ʃ/のように、単語や音声を手がかりに覚えると分かりやすい記号もあります。
普段、辞書で目にする表記は、より正確には音素表記と呼ばれます。単語を区別するために必要な音の違いを示すものです。一方、より細かい音声表記では、実際に話した人の発音を詳しく記録できます。単語の意味が変わらない小さな音の違いも表せます。Oxfordの発音ガイドでは、この違いとスラッシュ/ /、角括弧[ ]の使い分けが説明されています。
まずは辞書の見出し語の横にある表記を読んでみてください。ship /ʃɪp/を読んで聞き、sheep /ʃiːp/ (羊)と比べます。母音が変わると別の単語になることが分かります。話す人のアクセントを詳しく分析しなくても、この違いは学習に使えます。
知っている単語を手がかりに記号を覚える
音声を聞いて分かる単語を、一つずつ記号の手がかりにします。次は、初めて見ると戸惑いやすい記号の例です。CambridgeとOxfordのガイドで使われている、イギリス英語の学習者向けの表記を用いています。
| 記号 | 手がかりにする単語 | 読むときの注意点 |
|---|---|---|
| /ɪ/ | sit /sɪt/ — 座る | sitやshipの母音 |
| /iː/ | see /siː/ — 見る | seeやsheepの母音 |
| /æ/ | cat /kæt/ — 猫 | この母音の記号であり、すべての単語の文字aを表すわけではない |
| /ʌ/ | cup /kʌp/ — カップ | cupの母音 |
| /ə/ | about /əˈbaʊt/ — 〜について | シュワと呼ばれる、aboutの最初の強勢のない母音 |
| /ʃ/ | ship /ʃɪp/ — 船 | この単語では、2文字のshが一つの音に対応する |
| /θ/ | thin /θɪn/ — 薄い | thの代表的な二つの音のうちの一つ |
| /ð/ | this /ðɪs/ — これ | thinの最初の音とは異なる |
| /ŋ/ | sing /sɪŋ/ — 歌う | この単語の最後に、別の/ɡ/の音はない |
| /tʃ/ | chain /tʃeɪn/ — 鎖 | /tʃ/全体で一つの子音 |
| /dʒ/ | jam /dʒæm/ — ジャム | /dʒ/全体で一つの子音 |
| /j/ | yes /jes/ — はい | IPAの/j/は、yesのyの音 |
| /eɪ/ | say /seɪ/ — 言う | 二つの記号で、一つの音節内で変化する母音を示す |
/tʃ/と/dʒ/は、それぞれ一つの破擦音を表します。閉鎖と摩擦がひと続きになった子音です。/eɪ/のような組み合わせは二重母音で、発音する間に母音の音色が変わります。そのため、印刷された記号の文字数を数えても、音や音節の数は分かりません。
記号は分かるのに音を出しにくい場合は、母音/ɪ/、母音/iː/、子音/ʃ/、子音/tʃ/のガイドを参照してください。ほかの音は英語の発音ガイド一覧から探せます。ここでは、記号を使って単語全体を読む練習を進めます。
カタカナに置き換えずに読む:ship /ʃɪp/の母音は/ɪ/一つで、1音節です。「シップ」の文字数を使って英語の音や音節を数えないようにしましょう。発音記号と英語の音声を直接結び付けてください。
辞書の項目を順に読んでみる
Cambridgeのcomputerの項目を開いてください。UKの発音表記は次のとおりです。
/kəmˈpjuː.tər/
1. 英語の種類を確認する
UKはイギリス英語、USはアメリカ英語の発音モデルです。どちらかを選び、その音声と表記を一緒に確認してください。授業や試験で辞書や表記法が指定されている場合は、その指定に従います。
2. 強勢のある音節を探す
/ˈ/は/pjuː/のすぐ前にあります。これは2番目の音節なので、com-PU-terと読みます。強勢の記号は、音節の最初の子音も含めた、音節全体の前に置かれます。必ずしも母音のすぐ前にあるとは限りません。
3. 音のまとまりごとに読む
三つの音節に分けると、/kəm/ + /ˈpjuː/ + /tə/となります。中央のまとまりに第一強勢があります。+はこの練習で区切りを示すためのもので、発音記号の一部でも、間を置く指示でもありません。
最初の音節は/kəm/です。母音は/ə/なので、comというつづりから母音を推測しないでください。強勢のある音節/pjuː/は、/p/、yesの/j/、/uː/から成ります。このUKのモデルで単語だけを言うとき、最後の音節は/tə/です。
長さを示す/ː/は、/uː/の一部です。音節を増やす記号でも、母音を何秒間伸ばすかを指定する記号でもありません。
4. 上付きのrを確認する
このUKの項目で、Cambridgeの上付きのrは、後ろに母音が続くときのつなぎの音を示します。単語だけを言う場合と、computer expertと言う場合を比べてください。computerを言うたびに/r/を発音する、という指示ではありません。ほかの辞書では(r)のように括弧で示すこともあるので、その辞書のガイドを確認します。
5. 音声を聞き、フレーズの中で言う
三つの音節を目で追いながら聞いてください。次に「My computer is ready」と言ってみましょう。isは母音で始まるので、このUKのモデルでは/r/でcomputerとisをつなぎます。途中でつまずいたら、言いにくかった音節に戻り、記号を確認してもう一度聞きます。単語全体を言うときは、音節をつなげてください。
つづりから推測せず、発音記号を読む
次の表は、単語だけを言うときのイギリス英語の発音です。Cambridgeの項目に、つなぎの音を示す上付きのrがある場合は、表では省いています。
| 単語 | 発音表記 | つづりだけでは分かりにくい点 |
|---|---|---|
| ship | /ʃɪp/ | 最初の/ʃ/は一つの音 |
| sing | /sɪŋ/ | 最後は/ŋ/で、/ɡ/を付け足さない |
| chain | /tʃeɪn/ | /tʃ/は一つの子音、/eɪ/は一つの二重母音 |
| teacher | /ˈtiː.tʃə/ | 2音節で、最初の音節に強勢がある |
| student | /ˈstjuː.dənt/ | このUKのモデルでは/j/がyの音を表す |
| computer | /kəmˈpjuː.tə/ | 3音節で、2番目の音節に強勢がある |
| system | /ˈsɪs.təm/ | 2番目の母音のつづりはeだが、音は/ə/ |
長い単語は、Cambridgeのteacherとstudentの音声で確認してみましょう。先に自分で読んでから聞き、違っていた部分があれば特定してください。
同じ単語でも表記が違う理由
まず、同じ種類の英語を示しているか確認します。CambridgeではgoがUKでは/ɡəʊ/、USでは/ɡoʊ/です。UKのstudentには/j/がありますが、USの/ˈstuː.dənt/にはありません。これらは発音自体の違いです。goの音声と、上のstudentの音声を比べてみてください。
次に、表記の決まりを確認します。アメリカの辞書で使われる表記法の中には、ほかの表記法の/iː/を/i/と書くものがあります。また、Cambridgeはbedの母音を/e/と書きますが、PhonemaのDRESS母音のガイドでは/ɛ/を使っています。この違いだけでは、音声の発音も違うとは判断できません。Cambridgeのガイドには、母音の長さの記号についての説明があります。今読んでいる辞書のガイドを確認してください。
Phonemaの音のガイドには、IH、IY、SHなどのARPA表記もあります。これは別の表記法で、このサイトの一覧では/ɪ/、/i/、/ʃ/に対応します。SHは二つの音ではなく、IHも英語のつづりとして読むものではありません。IPAの記号と例の単語を手がかりに、辞書の項目と音のガイドを結び付けてください。
辞書の表記で分かることには限りもあります。一つの発音モデルと、場合によってはその変種を示すもので、すべての地域の発音を網羅しているわけではありません。インドで話される多様な英語も同様です。聞き慣れた人の発音が辞書と違っても、どちらかが間違いだと決める前に、音や強勢の違いを確かめましょう。
意味と前後の言葉も確認する
同じつづりに複数の発音があることもあります。CambridgeのUKの項目では、名詞のrecordは/ˈrek.ɔːd/、動詞は/rɪˈkɔːd/です。強勢と最初の母音が変わります。名詞と動詞の音声を聞き、「Keep a record」と「Record the lesson」を言ってみてください。単語の強勢のガイドにも、このような例があります。
続けて話すときに使う弱形が載っている項目もあります。例えば、canは「Can you help?」では/kən/、強調して「I can」と言うときには/kæn/になることがあります。Oxfordの発音ガイドに説明があります。別の表記を選ぶ前に、その横にある説明を読んでください。単語が文の中でつながるときの変化は、英語の連結音声のガイドで扱っています。
発音記号を読む練習
ここでは、それまでの例に出てこなかった5語を読みます。解答を見る前に、発音記号を声に出して読み、各問に答えてください。単語を知らなくても、問われている音や強勢は記号から読み取れます。すべて、ここまでに紹介したイギリス英語の表記です。
- /fɪʃ/ — 音はいくつありますか?
- /rɪŋ/ — 最後に別の/ɡ/の音がありますか?
- /ʃeɪp/ — /eɪ/は1音節ですか、2音節ですか?
- /təˈdeɪ/ — 第一強勢はどの音節にありますか?
- /jet/ — ここで/j/は何の音を表しますか?
解答
- Fish — 魚. /f/、/ɪ/、/ʃ/の三つの音です。つづりのshは2文字で一つの子音を表します。
- Ring — 指輪. 最後の音はsingと同じ/ŋ/です。別の/ɡ/はありません。
- Shape — 形. /eɪ/は一つの音節内の二重母音です。単語全体も1音節です。
- Today — 今日. 2番目の音節/deɪ/に強勢があります。to-DAYです。最初の母音は強勢のない/ə/です。
- Yet — まだ. /j/はyesの最初の音で、jamの最初の音ではありません。その後に/e/と/t/が続きます。
次は、授業、仕事、読書で出会った単語を一つ選びます。辞書の発音表記を、英語の種類の表示と一緒に書き写してください。つづりの中で強勢のある音節に印を付け、音声を聞いてから短い文で使います。翌日は音声を聞く前に発音記号を読み、音と強勢の位置を覚えているか確かめましょう。
このガイドは、本文で紹介する発音アプリPhonemaの開発チームが執筆しています。 自分で書いた文の中で単語を練習し、発音した音についてのフィードバックを確認できます。Phonemaの使い方を見る。
この入門の後は、初心者向けの発音記号練習24問に進めます。IPAを読み、単語と発音記号を組み合わせ、自分でも書いて、解説付きの解答で確認しましょう。
よくある質問
単語の発音表記とは何ですか?
単語の発音を音の記号で表したものです。学習者向けの辞書では、shipの/ʃɪp/のように、スラッシュで囲んだ音素表記がよく使われます。単語を区別する音を示すもので、話す人の発音の細部をすべて記録するわけではありません。
辞書の発音記号はどう読めばいいですか?
まず英語の種類を示す表示を確認し、第一強勢の記号を探してから、音の記号を順に読みます。知らない記号は、その辞書の発音ガイドで確認してください。次に表記を目で追いながら音声を聞き、最後に短いフレーズの中で単語を言ってみましょう。
発音表記のˈは何を表しますか?
ˈは、第一強勢のある音節の前に置かれます。/kəmˈpjuː.tə/では2番目の音節に強勢があり、com-PU-terとなります。読み方を示す記号で、それ自体を発音するものではありません。
同じ単語なのに辞書によって表記が違うのはなぜですか?
異なる英語の発音を示している場合と、表記の決まりが違う場合があります。UK・USの表示と、それぞれの辞書の発音ガイドを確認してください。音や強勢の違いは別の発音を示すことがありますが、音節の点や長さの記号の違いは表記上の決まりによる場合もあります。
英単語を読むにはIPAを全部覚える必要がありますか?
いいえ。知っている単語に出てくる記号と、強勢や音の長さを示す記号から始めましょう。辞書で知らない記号に出会ったら、その都度覚えれば十分です。IPAは多くの言語の音を表すためのものなので、英語の辞書を読むだけなら使わない記号もたくさんあります。
参考資料と表記の決まり
- Cambridge Dictionary。 発音記号と表記の決まり。イギリス英語とアメリカ英語の音声付きです。単語の項目は例のそばにリンクしています。
- Oxford Learner’s Dictionaries。 発音ガイド。音素表記、強勢、つなぎの/r/、弱形の説明があります。
- International Phonetic Association。 公式IPAチャート。さまざまな言語の音を表すための記号を確認できます。
資料の確認日:2026年10月12日。特に表示がない限り、例にはイギリス英語の学習者向けの表記を使っています。練習問題と練習の手順は、このガイドのために作成しました。